深夜、落ち着かない時間
その夜は、深夜から慌ただしい時間が続いていました。
高齢の患者さんが、落ち着かない様子でベッド上を動き、
フォーレカテーテルを自己抜去してしまいました。
過活動型せん妄が出ている状態でした。
声をかけても落ち着かず、
体を動かし続けてしまう。
安全を守ることを優先しながら、
その方の不安も少しでも軽くできないかと考えながら関わっていました。
明け方、別の形で現れた変化
深夜の時間が過ぎ、明け方になった頃でした。
それまで動き続けていた様子とは変わり、
今度は反応が鈍くなり、表情もぐっと弱くなっていました。
SpO₂が低下し、顔色も良くありません。
声をかけると、小さな声で
「体調が悪い」
と話されました。
過活動型の様子から、
低活動型の状態へ変化しているように見えました。
その時の私の気持ち
持てる知識を使って考えました。
せん妄の可能性。
背景にある疾患。
環境要因。
薬剤の影響。
できることを一つずつ確認しながら関わりました。
それでも、状況は大きく改善することはありませんでした。
正直に言えば、
しんどさもありました。
「これでいいのだろうか」
という迷いもありました。
見守るしかない時間もありました。
もし同じタイミングで他の患者さんにも体調変化が起きていたら、
対応はもっと難しくなっていたかもしれません。
そう思う場面でもありました。
振り返りながら考えたこと
せん妄が出ていることは、ある程度理解できました。
ただ、何が誘発因子だったのか
そこははっきりとは分かりませんでした。
- 環境の変化
- 身体状態の変化
- 薬剤の影響
- 睡眠薬が合わなかった可能性
いくつかの可能性は考えましたが、
明確に特定できるものはありませんでした。
また、急変の可能性も頭の片隅にありました。
状態が大きく崩れる可能性もある。
その緊張感の中で、夜勤の時間は続いていました。
次の勤務へつなぐということ
その後、医師に状況を報告し、
指示のもとで酸素投与を開始しました。
SpO₂は徐々に改善し、
患者さんの表情も少し落ち着いたように見えました。
「体調が悪い」と話されていた苦しさも、
少し和らいだように感じました。
その変化を確認しながら、夜勤の終わりが近づいてきました。
夜の間に起きたこと、
状態の変化、
考えられる可能性。
それらをできるだけ整理して、
次の勤務者へ申し送りました。
夜勤の中で、すべてを解決できるわけではありません。
それでも、
今起きていることを次の勤務へつなぐこと。
それもまた、夜勤の大切な役割のひとつなのだと思います。
最後に
せん妄の経過は、
ときに予測しづらく、
短い時間の中で形を変えることがあります。
今回の夜も、
深夜と明け方で、まったく違う様子が見られました。
はっきりした答えは、まだありません。
それでも、振り返りながら考えることが、
次の関わりにつながるのだと思っています。
もし同じ場面に出会ったとき、
あなたならどんなことを考えるでしょうか。
その問いを持ちながら、
また次の現場に向かいます。


