勤務交代直後。「帰りたい」と言われたときに考えたこと

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勤務交代直後の出来事

その日は、勤務交代直後のことでした。

申し送りを受け、
これからの時間の流れを頭の中で整理していたとき、
ある患者さんが

「帰りたい」

と強く訴えられました。

落ち着いているように見えていた時間の中で、
突然の帰宅要求でした。


その時の私の気持ち

最初に感じたのは、迷いでした。

「どう関わるのがいいのだろう」

帰宅要求に対して、
そのまま受け止めるのか、
それとも現実を伝えるのか。

声かけ一つで、
落ち着くこともあれば、
逆に興奮が強くなることもあります。

どう伝えるべきか、
その場で考えながら関わっていました。


振り返って考えたこと

あとから振り返ると、
いくつかの可能性が思い浮かびました。

勤務交代直後という時間帯は、
環境が変わるタイミングでもあります。

スタッフが入れ替わり、
雰囲気が少し変わる。

その変化を感じ取って、
不安が強くなっていたのかもしれません。

「帰りたい」という言葉の背景には、
場所が分からない不安や、
安心できる場所を求める気持ちがあったのかもしれません。


実際に関わった中での対応

その場では、
一人で対応するのではなく、
ナースエイドと交代しながら見守ることにしました。

常に誰かが近くにいることで、
転倒のリスクをできるだけ減らす必要がありました。

対応の中で、
処方薬の睡眠導入剤使用も検討し、実際に使用しました。

しかし、
結果としては、かえって興奮が強くなる様子が見られました。

「落ち着いてもらうために」と思った関わりが、
必ずしもその通りの結果になるわけではない。

その難しさを感じました。

その後は、
無理に落ち着かせようとするのではなく、
そばで見守る時間を続けました。

少しずつ眠気が出てきたタイミングで、
声をかけながらベッドに横になってもらいました。


声かけと薬剤についての迷い

対応の中で、
声かけと薬剤の両方に迷いがありました。

どこまで受け止めるか。
どこで現実を伝えるか。

そして、
薬剤を使うタイミングや必要性。

一つひとつの判断が、
その後の反応に影響する可能性があります。

だからこそ、
「これが正解」と言い切れるものはなく、
その場で考え続けるしかありませんでした。


最後に

帰宅要求という言葉の背景には、
その人なりの理由があります。

その瞬間には分からなくても、
振り返ることで少し見えてくることがあります。

今回も、
はっきりとした答えがあったわけではありません。

それでも、
どう関わるかを考え続けること。

そして、
一人で抱えず、周りと共有しながら関わること。

その積み重ねが、
次のケアにつながっていくのだと思います。

もし同じ場面に出会ったとき、
あなたならどんな声をかけるでしょうか。

その問いを持ちながら、
また次の現場に向かいます。